慢性甲状腺炎」とも呼ばれ、バセドウ病と並ぶ甲状腺に対する自己免疫疾患の一つです。日本人の橋本策博士がドイツ留学中に報告したことにより、この名が付けられました。リンパ球が甲状腺を徐々に破壊し、慢性的な炎症が起こって甲状腺ホルモンの生成が低下します(甲状腺機能低下症という)。このとき、多くの場合血液中に抗サイログロブリン抗体や抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(いずれも橋本病やバセドウ病の患者さんの血液中から多く検出される抗体)が検出されます。成人女性の約10人に1人、成人男性の約40人に1人にみられ、特に30〜40代の女性に発症することが多いとされています。
↧